画像引用元: キリンHD オンラインストア
公開日 2022年10月24日
更新日 2024年6月20日
目次
エレキソルトってなに?
エレキソルトは、ビール大手のキリンが開発する減塩を補助するスプーンです。
このスプーンを食事中に使う事で、減塩した料理でも味をなんと約1.5倍に増強してくれます。
エレキソルトは微弱な電気を使って食品の味を濃くするというフードテック(食品テクノロジー)の技術を搭載した新しい食器型の電気製品で、キリンと明治大学の宮下芳明教授が共同で開発しています。
ちなみに無塩ドットコムも開発支援を行っています。
宮下教授は、「電気を流した箸やストローで食品の味を変える実験」で2023年のイグノーベル賞を受賞しています。
現在はスプーンがありますが、お椀やお箸なども開発中です。
エレキソルトは、減塩食を美味しく食べる新しい食器として期待されています。
エレキソルトの簡単な仕組み
薄味の料理を食べているのにエレキソルトを使うと味が濃くなるように感じるのはなぜでしょうか?
それは、電気の力で塩味の素になるナトリウムイオンを舌に集めているからです。
舌のあたりに塩味の素を集めているので、少ない塩分量でも味が濃くなるという仕組みです。
スプーンを通して微弱な電気を流しているので、スプーンが舌に触れている時に塩分が濃くなるというイメージです。
スプーンは微弱な電気を流す必要があるので、電池が入っており食事の前にスプーンについているスイッチを入れて電源をONにする必要があります。
ボタンにより4段階で強度の調整が可能で、強度を強くすると味を強く感じやすくなります。
また、スプーンの先と持ち手には金属部分があります。
正しく起動させるには持ち手の金属部分に手が触れている必要があり、スプーンの先の金属部分にも料理が触れてる必要があります。
エレキソルトが得意な食べ物、苦手な食べ物

【得意な食べ物の特徴】
・汁が多い食べ物
・スプーンが長く舌に付けられる食べ物
・塩分が少しでも入っている食べ物
エレキソルトは、スプーンという形状の為、スープや丼もの、カレーなどが美味しく食べられます。
また先ほど説明したように、エレキソルトは舌に触れている時に塩味が濃く感じるという特性があります。
【苦手な食べ物の特徴】
・汁がほとんど無い食べ物
・スプーンを口からすぐに離して食べる物
・塩分がほとんど入っていない食べ物
塩味をしっかり感じる為には、なるべく長く舌にスプーンを付ける必要があり、逆に長く舌が触れない場合は、濃い味が感じにくいのです。
例えばエレキソルトのスプーンでハンバーグを使って食べた場合は、舌にスプーンが触れる時間が短いので、あまり効果は感じられません。
またエレキソルトはパンなど水分が少ない食事には不向きです。スプーンで効果が得やすいのは汁物です。
さらに塩分が入っていない食べ物はエレキソルトを使っても、舌に塩分を集める事ができないため、効果はありません。
エレキソルトを使った感想は?
試作機での味見(*販売する機器とは機能は同じですが、形状は異なります)
実際には私達は何度もエレキソルトを使って試食をしていますので、率直な感想をお伝えします!
私達はスープやカレーなど、様々な料理を試食しました。
エレキソルトには強度が4段階あり、一番強い強度4で試した場合、確かにじんわりと味が濃くなるのを感じます。
エレキソルトの味の感じ方は少し独特で、じわ〜と濃い味が舌に広がるようなイメージです。
普通の料理は食べた瞬間に味を感じると思うのですが、エレキソルトは、少しだけ遅れて味が広がるので不思議な感じです。
私個人の感想としては、特に減塩スープはしっかりと味を濃く感じる事ができました。逆に減塩カレーに関しては、元々スパイスの味などが効いてる為、効果がスープよりは少し小さいように感じました。
味の感じ方は人にもよると思うのですが、エレキソルトが苦手な方もいて、例えば普通のスプーンを舐めた時に、金属の味がすると思うのですが、この味を感じる方もいます。
個人差はありますが、私は慣れるとスープや丼物は美味しく食べられるのでは無いかと思います!
現在はスプーンタイプだけで、対応できる料理が限られますが、お椀やお箸も開発されればさらに、食事の幅が広がるのでは無いかと思います!

少し気になる点は下記です。
●スプーンが少し大きい
微弱な電流を流す必要がある為、スプーンが大きめです。
普段のスプーンよりだいぶ大きめなので、少し違和感があります。
●スプーンの先の金属部分に料理が触れる必要がある
スプーンの先には金属部分がついていますが、その部分まで料理が触れないと正しく作動しません。
スプーンが大きい為、料理が金属部分に触れる為には、多めに料理をすくう必要があります。
●点滅が気になる
エレキソルトには4段階の強度が設定できますが、スプーンについたランプ光の色と点滅によって強度が確認できます。
強度1・・・黄色
強度2・・・黄色点滅
強度3・・・青色
強度4・・・青色点滅
強度4にして料理を食べるとスプーンの点滅が少し気になります。
個人的には強度のランプはスプーンの裏側に付けた方が良いのかなと思います。
エレキソルトは開発されたばかりの新しい技術です!
元々の試作機からどんどん改良が進んでいます。
今後もさらに改良が進んでいく事が期待できるので、新しいバージョンはさらに良いものになるはずです。
エレキソルトは、どこで買えるの?
2024年5月20日にエレキソルトはキリンHDのホームページで販売が開始されました。
現在は予約・抽選販売となっており、購入する為には会員登録をする必要があります。
エレキソルトの開発者はどんな人?

エレキソルトの開発者は、キリンHDのヘルスサイエンス部の佐藤愛さんという女性です。
私達は何度もお会いしてますが、本当に明るくて素敵な方です!
佐藤さんは、元々キリンの研究所で食品素材の安全性や有効性の研究をされていました。研究の中で病院の先生や患者様とも関わる事が多く、直接 、食事療法の辛さや継続しにくいというお声を聞いたそうです。
濃い味に慣れてるところからいきなり薄味になって戸惑われる方が非常に多い事が分かったそうです。
そこの課題を解決できないかなと考え、技術を探索してる時に出会ったのが、エレキソルトの元になる電気味覚と呼ばれている技術だったそうです。
実は私達、減塩専門店を運営してる無塩ドットコムでもお客様から「減塩を始めたけど、濃い味に慣れた旦那が食べてくれない」などのお声を頂く事があります。減塩は慣れれば美味しく食べられるのですが、慣れるまでに挫折してしまう方もいらっしゃいます。
一般的な日本人は1日に約10g程度の塩分を摂っています。
一方、WHO(世界保険機関)では1日の塩分量の目安を5g未満としていますが、普段は減塩せずに塩分を摂っていた方が急に塩分量を減らすと続かない事があります。
私達は、キリンの佐藤さんの問題意識に強く共感し、エレキソルトの開発の支援をしています。
多くの人が減塩を美味しく続けられる世界の実現を目指しています。
Q&A
Q.エレキソルトを使って美味しく食べるには?
A.まずはゆっくり食べる事です。
スプーンを口からすぐに話してしまうと、十分に効果が得られないので、できるだけ口の中にスプーンを入れたままの時間が長い方が美味しく食べられます。
Q.洗えるの?
A.エレキソルトの先は取り外しができ、普通の食器と同じように洗剤で水洗いが可能です。
持ち手の部分は、電池などが入ってる為、水洗いはできないので、布でふいて手入れしてください。
Q.エレキソルトが使えない方は?
A.・心臓疾患など心臓に持病がある方。
・ペースメーカーなどを使われている方
・妊娠されている方
・歯の治療をされている方
・金属アレルギーのある方
・持病のある方は医師にご相談ください
など
*詳細はエレキソルトの安全上のご注意をお読みください。
まとめ
エレキソルトは、キリンと明治大学の宮下芳明教授が共同で開発した減塩を補助する革新的なスプーンです。
このフードテック製品は、微弱な電気を利用して食品の味を増強する技術を搭載しており、減塩料理でも美味しく食べることができます。
スプーンの形状や電気の力を利用することで、食事中の塩味を約1.5倍に感じさせることができます。
エレキソルトの登場により、減塩食を続けることが難しかった方々にも、美味しく健康的な食生活を提供できる可能性が広がりました。
この新しい技術は、減塩に取り組む多くの人々の食事の質を向上させるだけでなく、生活習慣病の予防や改善にも寄与するでしょう。
今後もさらなる改良と開発が進むことで、エレキソルトはより多くの料理やシチュエーションに対応し、多くの人々の食卓に笑顔をもたらすことが期待されます。
キリンHDのホームページで販売が開始されたエレキソルトをぜひ一度試してみて、未来の食体験を感じてみてください。
魔法の減塩家電!使うだけで塩味が1.5倍に?
無塩ドットコム編集部
無塩ドットコムは国内最大級の減塩食品・調味料の専門店です。
高血圧や腎臓病、健康志向の方向けの食品の開発や通販をしております。
またオリジナルの「塩ぬき屋」ブランドでは、無添加や国産にこだわった減塩食を提供しています。
受賞
・2020年ネットショップグランプリ ネット経済新聞賞受賞
参画組織
・2023年より厚生労働省の食環境戦略イニシアチブに参画


